土屋悟志

「彼は歩く美学だね」

デザイナーにこう言わしめるほど、行動全てに一貫した哲学が表れる土屋。
社内で彼の右に出る者はいないほど鍛造技法に長けた職人ですが、humに入るまで鍛造の経験はありませんでした。
学生時代はハードなシルバーアクセサリーを好み、シルバーのコースを専攻。就職について考え始める頃、humの作品が目に留まり、直感的に「これを作ってみたい」と感じたそう。 

無類の工具好きで、同じ作業でも時と場合に応じて工具を使い分けます。自分に合わせたカスタムも欠かせません。数々の工具が整理整頓された机からも、やはり彼の美学を感じることができます。
几帳面で綺麗好きな性格は、精度が必要とされる鍛造にも間違いなく活かされていることでしょう。


生粋の職人肌で言葉数の少ない土屋ですが、ワークショップでのレクチャーは丁寧でわかりやすいと定評があります。接客スタイルは優しく紳士的。「次回も土屋先生に担当してもらいたい」とリクエストを頂くことも珍しくありません。 

「職人なら当たり前にできる作業を、どこまで一般の方の感覚に合わせて教えられるか。具体的な伝え方を工夫していますね」
彼の言葉ひとつひとつに、「良い物を作ってもらいたい」という思い遣りが溢れます。